『 そうやねと
辛い いのちを 抱きしめる
こころが辛くなると、本当はみんな抱かれたいのだと診察室でいつも感じます。
ぼくは思いっきり、言葉で患者さんを抱きます。
日常の生活の中でも、照れないで思いっきり抱いてあげたらいいと思うのです。
100歳も働き盛りも、子育て真っ最中も思春期も、
そして介護中の人も大変です。もちろん夫婦も一緒。
「そうやねえ、わかるわかる」と、思いっきり抱いて抱かれて、
そしていのちに力が戻ってきます。』
スタイル アサヒ 09.10月号より
大野内科院長 小笠原 望 先生のコラム「診療所の窓辺から」より
「いのちに力が戻ってくる」抱擁って、
なんて不思議でパワフルな行為なのでしょう。
「本当は抱くより抱かれることの方が難しい。与えるよりも与えられること、
愛するより愛されることの方が難しいもの。」は、TaoZen大内氏の言葉。
抱かれる、与えられる、愛される・・・
他人を受容れるにも、素直な心が必要ということでしょうか。
素直、「おだやかでさからわないこと」。
素の自分に逆らわず正直な気持ちで、抱かれる・愛されることができれば、
ふつふつと静かに湧き上がる満足感でいっぱいになれるような気がします。
本当は愛されたい気持ちでいっぱいの心に、わざと逆らうはとっても辛いね。
私たちの周りには、
小笠原先生のように、「あなたのことを抱きしめたい」と思ってくれる人々が
たくさんいることを忘れないようにしたいな・・。
そして差し伸べられた手に、すっと手を伸ばすことのできる素直さを
少しづつ表現していけたらな・・と思います。
自分の身を守りながら大人になっていくうちに私たちは
どんどん埋もれさせてしまっていますものね、
素直に表現する気持ちを。