きんかんの甘露煮の下準備。
中の種をおおかた取っておいてから、砂糖を入れて煮ます。
ころんとしたお日様みたいなきんかんを
一つづつ手に取って、包丁で切り込みを入れていくと、
なんともあたたかな精油の香りと、
ぽたぽた雫になって指を伝っていく果汁に
私のハートのあたりも、ふんわりと開いていくのでした。
たっぷりのお湯で下茹でしているところ・・・
甘露煮を作ろうと思い立ったのは、
自分が食べたいな・・と思ったからなのですが、
実家の年老いた父と母の好物だから・・というのもあったのかもしれません。
今年のお正月は帰省することができなかったし、
随分と残念で寂しい気持ちだったろうなぁと察しています。
家族の距離感というのは、本当に微妙なもので、
時に息苦しくて離れざるを得ない時もあれば、
離れていると、妙に案じられることもあるものです。
もう旅立ってしまって体はこの世から居なくなっても、
心の中で哀愁やら後悔やらそんな切ない気持ちと向き合い続ける・・
それが家族なのでしょうね。
柑橘の香りは、
子どもの頃の記憶を呼び覚まし、そっと寄り添ってくれるパワーがあるように思います。
きんかんと触れ合いながら父や母のことを思い出して、そんなことを感じました。
さて、取り出した種は、
お茶パックに入れて、今晩のお風呂に入れたいと思います。
今夜も雪模様になるのかな。
しっかりとあったまって休みましょうね。