9月、アルバイト初登園の日。
3〜5歳児のいるクラスに初めて入ったとき、
ある子はピッタリと抱きつき、
ある子はお尻をすりすりしながら私に近づき、身体をぴったりと寄り添ってきました。
みんなみんなが新参者の私に近づきたくて触れたくて・・・
子どもたちのそんな強いパワーが私の全身の毛穴から入り込んでくるようでした。
就学前の5歳児くらいまでのパーソナルスペースは
こんなにも、ごくごく狭いものだったんだ・・・
大人の私たちは
経験の中から適度なパーソナルスペースを知り、調整をし
時々に応じて円滑にコミュニケーションを図る術を身に付けていることが
当たり前になっているけれど。
パーソナルスペースとは、
他人に近付かれると不快に感じる空間のことで
文化人類学者のエドワード・ホールの
パーソナルスペースを4つのゾーンに大別した概念が有名です。
ウィキペディアによると、
●密接距離…ごく親しい人に許される空間
近接相(0〜15cm)・・・抱きしめられる距離
遠方相(15〜45cm)・・・ 頭や腰、脚が簡単に触れ合うことはないが、
手で相手に触れるくらいの距離
●個体距離…相手の表情が読み取れる空間
近接相(45〜75cm) ・・・相手を捕まえられる距離
遠方相(75〜120cm)・・・両方が手を伸ばせば指先が触れあうことができる距離
●社会距離…相手に手は届きづらいが、容易に会話ができる空間
近接相(1.2〜2m) ・・・知らない人同士が会話をしたり、
商談をする場合に用いられる距離
遠方相(2〜3.5m) ・・・公式な商談で用いられる距離
●公共距離…複数の相手が見渡せる空間
近接相(3.5〜7m) ・・・2者の関係が個人的なものではなく、
講演者と聴衆と言うような場合の距離
遠方相(7m以上) ・・・一般人が社会的な要職にある人物と
面会するような場合におかれる距離
子どもから大人へ。
属する社会が広がるたびに
自身の身を自分で守る術を身につけなければ、生きてはいけない。
無意識のうちに私たちはこんな高度な技(?)を身に付けているのですね。
子どもたちと接していると、
密接距離がどれだけ本能を満たすものであるかということを
感じずにはいられません。
四つのゾーンが健全にバランスを取ることは大切なんだけれど、
密接距離がたっぷりと満たされている満足感があってこそ、
安定した他との距離感を保っていけるのではないかしらん??
大きくなったから、大人になったから「もう必要ない」ではなく、
生きている間はず〜っと、
抱きしめる、抱きしめられる・・
触れる、触れられる・・
ってことを求めながら満たしながら生きていけると、
幸せな気持ちでいられるんじゃないかなぁ〜と思います。
パーソナルスペースは女性に比べ男性の方がが広いと言われているけれど、
幼少期をみると、男児のほうが密接を求める傾向があるんじゃないかしらん?というのが私の印象。
そう考えると、大人の男性は内面と外面のギャップが激しい生き物で、
随分と無理しながら生きているんだろうなぁ・・との想いが巡ってきます。
自分の子が幼少期には気づくこともなかったのに、
20年近く経ってやっと感じる事柄ってあるものなんですね。
私の脳のシナプス広がってる?成長してる?
偉いぞ、私の脳細胞たち!!
様々な経験が思考の回路を広げていってくれているなら、
こんな素敵なことはないわ♪