2006年のクリスマス。
シャンパンを夫と二人で飲みながら、私はとても満ち足りた気持ちでいっぱいでした。
「あ〜〜、いろんな意味でなんと充実した一年だったんだろう・・
来年もあれこれ楽しい事がありそうな予感だし・・」と、こんな感じで。
そんな心持ちで話していると、何ともさえない表情の主人。
かなり仕事でコテンパにやられて胃にいっぱい潰瘍もでき、
すっかり自信喪失していたのは知っていました。
「悪いね、私ばっかりルンルンで。」と言うと、
自分は子どもたち二人を何とか路頭に迷わないようにする事だけを考えて
今歯をくいしばってがんばっているけど、もう二人で精一杯。
だから私までが寄りかかってしまうと、倒れてしまいそう。
好きなことをして自分の世界をもって勝手に生きてくれているほうが、
助かるんだ・・・
こんな感じのことをのたまったよ。
ストレスで余裕の無くなっていた主人は、気力もかなりダウンしていた一年でした。
たまの休みもず〜〜っと家にいるのが常で、パソコンで映像を観るかゲームをして
一日を過ごすパターンでした。土日が休みでも同じ。
お酒の量も増えていました。
休肝日のこと、ストレスに強くなれる食べ物のこと、お出かけ、体を動かす事などなど、
色んな提案をするも、めいいっぱいの うっとうしい顔で
「自分の好きな事をして体を休めてるのに、なんでいちいちケチつける?」と
ことごとく受け入れてもらえず、こちらもイライラ。。。
熟年離婚は、こんな些細な気持ちのズレがどんどん広がって起こるんだろうな・・
と妙に納得したりして。
触らぬ神にたたりなし、放っておこう。
そうやって自分の心のバランスをとり、子ども中心の生活をしていた
私の一年。そしてクリスマスの夜に聴いた主人の言葉でした。
この人は子どもたちの経済的な心配が無くなったら、
もうこの世でのお役目が終わったと、ぽっくり死んでしまうのではないだろうか・・・
そんな思いが私の中で、強く通り過ぎるのを感じました。
それじゃ、あまりにもわびしい。。。
でも
この先そんな運命が待ち受けているのだとしたら、
今できる手立てを考えて、日々を少しでも充実させることが最優先か・・。
私にできることを実行しよう。
死んでしまうなんて決まっている訳でもないのにおかしな話ですが、
このまま行くと、こころの病になりかねない・・そんな危機感も直感し、
おいしいシャンパンを飲んで幸せに浸っていた状態から一転、
切羽詰った心持ちになっていた、2006年 年の瀬なのでした。
つづく